はじめに
インターネットが普及し、スマートフォンやパソコンから気軽に情報収集ができる時代になりました。それに伴い、企業や個人がオンラインで集客・販売活動を行う機会も大幅に増えています。そのなかでも特に注目されているのが、世界最大規模の検索エンジン「Google」が提供する広告サービス、Google広告(旧名称:Google AdWords)です。
Google広告は、キーワード連動型広告(リスティング広告)やディスプレイ広告、動画広告など多彩な掲載方法を選べるだけでなく、広告の成果を詳細に測定できる点が大きな特長です。上手に使いこなせば、費用対効果の高い集客が期待できます。一方、「専門用語が多そう」「設定が難しそう」「自分に合った運用方法がわからない」といった理由で、初心者の方にはとっつきにくい印象を与えているのも事実です。
本記事では、初心者向けにGoogle広告の基本的な仕組みや、アカウント開設から広告出稿までの流れ、成果を高めるためのコツなどを詳しく解説していきます。専門用語には補足を入れつつ、なるべくわかりやすい表現を心がけました。ぜひこの記事を参考にして、Google広告で効率的に集客し、ビジネスを一段上のステージに引き上げてください。
1. Google広告とは何か
1-1. Google広告の概要
Google広告とは、Googleが提供するオンライン広告プラットフォームです。世界中のユーザーが利用している検索エンジン「Google検索」に加え、YouTubeやGmail、膨大な提携サイト(Google ディスプレイ ネットワーク)など、さまざまな場所に広告を掲載することが可能です。以下のような特徴があります。
- 検索結果画面にテキスト広告を表示できる(リスティング広告)
- YouTube動画やGmailにバナー広告や動画広告を掲載できる
- 指定したターゲット(興味関心、年齢、地域など)に合わせた広告配信が可能
- 細かな効果測定と最適化(レポートや機械学習を活用した自動化)に対応
運用次第では、小規模事業や個人事業主でも予算を抑えつつ高い費用対効果を狙えるため、多くの企業やフリーランスが導入している広告手法です。
1-2. Google広告のメリット
- 多様な掲載先を選べる
検索結果に表示される「検索広告」はもちろん、YouTubeの動画広告、サイト上のバナー広告(ディスプレイ広告)、アプリ内広告など、目的に合わせて豊富な広告形態を選択できます。 - 詳細なターゲティングが可能
ユーザーの検索キーワード(検索意図)に連動させる「キーワードターゲティング」や、地域・言語・年齢・性別・趣味などの属性を使った「オーディエンスターゲティング」などを組み合わせることで、見込み度の高いユーザーだけに広告を表示できます。 - 費用対効果を管理しやすい
Google広告では、クリック課金型(CPC)を主とする広告が多く、実際にユーザーが広告をクリックした場合にのみ費用が発生します。予算の上限を設定できるため、想定外の出費も抑えられます。 - 運用や最適化がしやすい
広告のクリック数やコンバージョン数(※1)、クリック率などのデータをリアルタイムで把握し、必要に応じてキーワードや入札単価を調整することで、より効果的な広告運用が行えます。
(※1) コンバージョン(CV):商品購入や資料請求、問い合わせなど、ビジネス上の成果となるユーザーの行動を指す言葉。
2. 主要な広告タイプの種類
Google広告では、大きく分けて以下のような広告タイプを選択できます。それぞれの特徴を理解し、自社の目的に合った広告を活用することが重要です。
2-1. 検索広告(Search Ads)
検索広告(リスティング広告とも呼ばれます)は、Googleでユーザーが検索したキーワードに連動して表示されるテキスト広告です。たとえば「東京 カフェ」で検索した際、検索結果の上部や下部に「広告」と書かれたテキストリンクが表示されるケースが該当します。
- 特徴:
- ユーザーの検索意図(キーワード)に合わせて広告が表示される
- 購買や問い合わせなどの行動に近いユーザーに訴求しやすい
- 入札キーワードや広告文をこまめに調整する必要がある
- 活用例:
- 具体的な商品名やサービス名で検索するユーザーに対して、すぐに自社のページへ誘導したい
- エリアを限定したキーワード(「地域名+業種名」など)で検索するユーザーを取りこぼしたくない
2-2. ディスプレイ広告(Display Ads)
ディスプレイ広告は、サイトやアプリ上の広告枠にバナー画像やテキスト広告を配信できるものです。Google ディスプレイ ネットワーク(GDN)は、世界中の膨大なウェブサイトやモバイルアプリが加盟しており、広告を表示する対象のユーザー属性や趣味・関心、閲覧履歴に基づいたターゲティングが可能です。
- 特徴:
- 視認性の高い画像(バナー)広告やレスポンシブ広告を出稿できる
- 潜在顧客に向けた認知度アップや興味喚起に適している
- 検索広告ほど顕在ニーズは強くないユーザーにもアプローチできる
- 活用例:
- まだニーズが顕在化していないユーザーに自社サービスを知ってもらいたい
- ブランドイメージを高めるために、バナー広告でビジュアル訴求をしたい
2-3. 動画広告(YouTube Ads)
Googleが運営するYouTube上で表示される動画広告です。YouTubeは、国内外で圧倒的なユーザー数を誇る動画プラットフォームであり、興味関心や視聴履歴などをもとにした細かなターゲティングが可能です。主なフォーマットとして、再生前・再生中・再生後に表示される「インストリーム広告」と、YouTubeの検索結果や関連動画欄に表示される「ディスカバリー広告」などがあります。
- 特徴:
- 動画によるインパクトのある訴求ができる
- テキスト広告やバナー広告以上に、サービスの魅力を直感的に伝えやすい
- 視聴者の興味を引き、エモーショナルな演出でブランド好感度を向上させられる
- 活用例:
- 新商品や新サービスのデモ映像を見せたい
- イベントの告知や企業イメージ向上を狙いたい
2-4. ショッピング広告(Shopping Ads)
ECサイトで取り扱う商品をショッピング広告として出稿することで、Google検索結果に商品の画像や価格、ストア名などを直接表示できます。主に小売業やEC事業者向けの広告形態であり、ユーザーは検索結果画面から商品情報を見て、そのままECサイトへ飛ぶことができます。
- 特徴:
- 商品画像や価格が表示されるため、購入意欲が高いユーザーを効率的に獲得しやすい
- 広告作成には商品データフィードの登録が必要
- 従来のテキスト広告に比べてビジュアル面での訴求力が高い
- 活用例:
- アパレルや家電など、複数の商品を幅広く販売しているECサイト
- 特定の商品キーワードで上位表示を狙いたい場合
3. Google広告を始めるための準備
3-1. 必要なアカウントや情報
Google広告を利用するには、まず以下の準備が必要です。
- Googleアカウントの取得
- Gmailなどのサービスで使用しているアカウントがあれば利用可能
- 支払いに使用するクレジットカード情報
- なお、ビジネスアカウント向けに月末請求(請求書払い)を利用できる場合もあります
- ウェブサイトのURLや広告先のランディングページ
- 広告をクリックしたユーザーが遷移するページを用意しておく
3-2. キーワードのリサーチ
検索広告を中心に運用する場合は、キーワード選定が最も重要なステップになります。以下の方法で、ユーザーが実際にどんな言葉で検索しているかを把握し、広告で狙うキーワードを洗い出しましょう。
- Googleキーワードプランナー
Google広告の管理画面から利用できるツールで、特定のキーワードに関連する検索ボリュームや競合度、推奨入札単価などをチェックできます。 - サジェスト機能の確認
Google検索バーにキーワードの一部を入力すると、検索候補(サジェスト)が表示されるので、ユーザーがよく検索する言い回しを把握できます。 - 競合サイトやSNSの調査
似たジャンルの競合他社がどのようなキーワードや広告文を使っているか、SNSでどんな文言が話題になっているかを参考にするのも有効です。
(1) キーワードの種類
- ビッグキーワード: 月間検索数が非常に多く、競合が激しい(例:「スマートフォン」「保険」など)
- ミドルキーワード: ビッグキーワードを含む複合ワードで、やや競合は多いが限定的(例:「スマートフォン おすすめ」「保険 無料見積もり」など)
- ロングテールキーワード: 3語以上の複合ワードなど検索ボリュームは少ないが、ユーザーのニーズが具体的(例:「iphone11 カバー おしゃれ」「東京都 賃貸 ペット可」など)
初心者のうちは、ミドルキーワードやロングテールキーワードから始めたほうが費用対効果を得やすい場合が多いです。
4. Google広告アカウントの設定からキャンペーン作成まで
4-1. アカウント作成の流れ
- Google広告のサイトにアクセス
- https://ads.google.com/ から開始できます。
- 「今すぐ開始」をクリックし、必要情報を入力
- キャンペーンの目的やビジネス情報を求められますが、初めての場合はガイドに沿ってシンプルなセットアップも可能。
- 支払い情報の登録
- クレジットカード番号や請求先住所を入力。
4-2. キャンペーンの構成と用語
Google広告では、以下の階層・用語がよく登場します。
- アカウント
- すべてのキャンペーンや広告グループを管理する最上位の単位。
- キャンペーン
- 目的や予算、地域、広告ネットワークの設定などをまとめた単位。
- 広告グループ
- キャンペーン内で、キーワードや広告文を束ねる下位の単位。
- キーワード
- 広告を表示させるために設定する検索語句。
- 広告(クリエイティブ)
- 実際にユーザーが目にするテキスト広告やバナー広告、動画など。
キャンペーンごとに予算や掲載場所(検索ネットワーク、ディスプレイネットワークなど)を設定し、その中で複数の広告グループを作り、各広告グループにはキーワードと広告を紐付ける形になります。
4-3. 予算と入札戦略の設定
Google広告では、主に以下の入札戦略が用いられます。
- 手動入札(CPC 手動設定)
- 1回のクリックに対してどれだけ払うかを自分で設定する。熟練した運用担当者向け。
- 拡張クリック単価(eCPC)
- コンバージョンしやすい状況では入札額を自動的に引き上げるなどの調整が行われる。
- 目標コンバージョン単価(tCPA)
- 目標とする1コンバージョンあたりの費用(CPA)を設定し、その範囲内で自動最適化を行う。
- 目標広告費用対効果(tROAS)
- 目標とする投資利益率(ROAS)を設定し、その範囲内で自動最適化を行う。
- 最大化クリック数/最大化コンバージョン数
- 予算内でできるだけ多くのクリック/コンバージョンを獲得できるようにGoogleが自動調整する。
初心者の場合は、まずは**「最大化クリック数」**など比較的シンプルな自動入札戦略を使い、広告運用に慣れてから手動入札や目標CPAなどに切り替えるという流れも一つの方法です。
5. 広告文とランディングページの作り方
5-1. 広告文(テキスト広告)のポイント
検索広告で効果を高めるには、広告文の工夫が欠かせません。以下のポイントを押さえてください。
- ユーザーの検索意図にマッチするキーワードを含める
- 広告見出しや説明文にユーザーが検索したキーワードが入っていると、関連性が高いと認識される。
- 簡潔かつ具体的な訴求
- 限られた文字数(見出しが最大3つ、説明文は最大2つ)を有効に使い、商品のメリットや強みを分かりやすく伝える。
- 差別化ポイントを明示する
- 価格、キャンペーン、送料無料など、競合にない強みを盛り込む。
- Call To Action(行動喚起)
- 「今すぐ問い合わせ」「無料資料をダウンロード」など、ユーザーが具体的に起こすべきアクションを示す。
(1) 広告カスタマイザ
広告文の中に日時や在庫数などを動的に挿入できる広告カスタマイザという機能もあります。期間限定セールや数量限定キャンペーンなどを訴求したいときに有効です。
5-2. ランディングページ(LP)の重要性
広告をクリックしたユーザーが最初に訪れるページを「ランディングページ(LP)」と呼びます。LPが魅力的で、ユーザーの不安を解消し、行動(問い合わせや購入)を後押しする設計になっていないと、せっかくの広告クリックが無駄になってしまう恐れがあります。以下の点を意識してください。
- 広告内容との整合性
- 広告で訴求したキーワードや特徴が、LPにもきちんと反映されているかを確認。
- 見やすいレイアウト
- スマートフォン表示に対応したレスポンシブデザイン、十分な余白やフォントサイズを確保。
- フォームの簡易化
- 問い合わせや購入フォームはできるだけ項目数を減らし、記入しやすくする。
- 信頼性を高める要素
- 会社情報や実績、利用者の声(レビュー)、セキュリティ対策などをわかりやすく提示。
- 明確なCTA
- 「今すぐ○○する」「資料請求はこちら」など、行動喚起ボタンを目立たせる。
6. 広告運用と最適化のポイント
6-1. 運用初期の考え方
広告を出稿した直後は、データが十分に集まっていないため、どのキーワードや広告が有効かまだ判断しづらいです。したがって、最初の1〜2週間は様子を見ることが大切です。ある程度クリック数やコンバージョンが蓄積されてから、本格的な調整に着手します。
6-2. キーワードの調整
- 除外キーワード(ネガティブキーワード)の設定
- 不要な検索語句で広告が表示されると、無駄なクリック費用が発生します。不要なキーワードを除外リストに登録しましょう。
- 部分一致と完全一致の使い分け
- 部分一致(例:キーワード「シューズ」であれば「靴」「スニーカー」など関連検索にも対応)を使うと表示機会は増えますが、精度が下がる恐れがあります。予算と目的に応じて、完全一致(キーワードどおりの場合のみ表示)やフレーズ一致を使うことも検討。
- 検索クエリレポートの分析
- 実際にユーザーが入力した検索語句を確認し、有望なキーワードを追加したり、不要な語句を除外キーワードに入れたりします。
6-3. 広告のテスト
複数の広告文を同時に走らせ、クリック率(CTR)やコンバージョン率などを比較検証することを「A/Bテスト」と言います。テキストの一部を変えるだけでも効果が変わる場合があり、地道にテストを繰り返すことで精度を高められます。
6-4. コンバージョン計測
Google広告の成果を正しく評価するには、コンバージョン計測の設定が欠かせません。たとえば、以下のようなアクションにタグを埋め込みます。
- 問い合わせフォーム送信完了ページの閲覧
- ECサイトでの購入完了ページ
- 資料ダウンロード完了ページ
- 電話番号クリック(スマホからの電話発信)
コンバージョンが測定できるようになると、1コンバージョンあたりの広告費用(CPA)を計算でき、入札戦略の自動化も活用しやすくなります。
7. 成果を高めるためのリマーケティング
7-1. リマーケティングの概要
**リマーケティング(リターゲティング)**とは、一度サイトを訪れたが離脱したユーザーに対して再度広告を表示する仕組みです。たとえば「商品ページを見たけど購入しなかったユーザー」にディスプレイ広告や検索広告を重点的に配信することで、再訪・成約につなげられます。
- 導入手順:
- Google広告アカウントでリマーケティングリスト(オーディエンス)を作成
- サイトにリマーケティングタグを設置
- サイト訪問者のCookie情報に基づき、特定の条件を満たすユーザーをターゲットとする
7-2. リマーケティングのメリット
- 高いコンバージョン率
- すでに商品やサービスに興味を持ち、サイトを訪れたユーザーなので、広告を再度見せるだけで購入に踏み切る可能性が高まる。
- 費用対効果の向上
- 一般的にクリック単価(CPC)が低めでも、CVR(コンバージョン率)が高くなる傾向があるため、CPAを抑えやすい。
- 各段階ごとのリスト細分化
- 「カートに入れたのに購入しなかったユーザー」「商品ページを30秒以上閲覧したユーザー」など、行動に応じてリストを作り分けることで、より精度の高い広告配信が可能。
8. Google広告のレポートと分析
8-1. 主要な指標
Google広告の管理画面では、多数の指標やレポートが確認できますが、初心者のうちは以下の指標に注目すると良いでしょう。
- インプレッション数: 広告が表示(露出)された回数
- クリック数(CTR:クリック率): 広告がクリックされた回数 / インプレッション数
- 平均クリック単価(CPC): 1クリックあたりにかかった平均コスト
- コンバージョン(CV)数: 購入や問い合わせの件数
- コンバージョン率(CVR): クリック数に対してどのくらいの割合がコンバージョンに至ったか
- コンバージョン単価(CPA): 1件のコンバージョンを獲得するのにかかったコスト
8-2. 分析の仕方
- **CV数(成果件数)とCPA(1件あたりの獲得コスト)**を軸に、予算とのバランスを確認
- CTRやCVRが低い場合は広告文やランディングページの改善を検討
- 検索語句レポートを見て、実際のユーザー検索クエリを分析し、追加キーワードや除外キーワードを更新
- 広告文のA/Bテスト結果を踏まえ、CTRが高い広告を優先配信するなどの調整
8-3. Googleアナリティクスとの連携
Googleアナリティクスと連携すれば、サイト内でのユーザー行動を詳細に追跡できます。以下のようなメリットがあります。
- どのページで離脱が多いか
- 広告経由のユーザーがサイト内をどれだけ閲覧したか(ページビュー数、滞在時間など)
- 新規ユーザーとリピーターの比較
- 目標到達プロセス(ゴールフロー)分析
これらのデータを活用し、より深い改善を行うことが可能です。
9. よくある失敗とその対策
9-1. 広告費ばかりかかって成果が出ない
- 原因: キーワードの選定ミス(ビッグキーワードばかり狙う)、ランディングページの作り込み不足など
- 対策: ロングテールキーワードを狙う、除外キーワードを適切に設定する、LPの改善やフォームの簡易化を試す
9-2. キャンペーンや広告グループが整理されていない
- 原因: すべてのキーワードを1つの広告グループに詰め込み、広告文や入札単価を一括管理している
- 対策: キーワードの意図やテーマごとに広告グループを分割し、それぞれに合った広告文や入札調整を行う
9-3. 入札を自動化しすぎて制御不能
- 原因: 初期段階から目標CPAやtROASに頼りすぎて、データが少ない段階で機械学習の精度が上がらない
- 対策: 序盤は手動入札や簡易的な自動入札(最大化クリックなど)を使って十分なデータを蓄積してから高度な自動入札へ移行する
9-4. アカウントが停止される
- 原因: Googleの広告ポリシー(禁止コンテンツや不正行為など)に反している
- 対策: 事前にポリシーを熟読し、違反項目がないか確認する。万一停止された場合はサポートに連絡し、問題を速やかに解消する
10. 広告運用を効率化するツールや連携
10-1. Google 広告エディタ
「Google 広告エディタ」は、オフライン環境でもキャンペーンや広告グループ、キーワードを一括編集できる無料ツールです。複数のキャンペーンを持つ大規模アカウントの場合、Web上の管理画面だけで作業すると手間がかかるため、エディタを使うと効率的に設定できます。
10-2. Google タグ マネージャー(GTM)
「Google タグ マネージャー」を使えば、サイト内に複雑なコードを直接埋め込まずに、コンバージョン計測用タグやリマーケティングタグなどを一元管理できます。開発者の工数を大幅に削減できるので、初めて広告タグを導入する方にもおすすめです。
10-3. 他の広告プラットフォームとの相乗効果
Google広告だけでなく、SNS広告(Facebook/Instagram Ads、Twitter/X Adsなど)やYahoo!広告を組み合わせることで、リーチできるユーザー層が広がります。特に若年層やビジュアル訴求に強いInstagram広告などは、Google広告だけではアプローチしきれないユーザー層を補完できます。
11. 成功事例と実践的なポイント
11-1. 小売業(ECサイト)の例
ある小売業のECサイトがGoogle検索広告とディスプレイ広告を組み合わせて運用したところ、新規顧客獲得数が大幅に増えたケースがあります。ポイントとしては、以下が挙げられます。
- ロングテールキーワードを重視
- 商品カテゴリーや特徴、用途を細かく分けて広告グループを作成
- 競合の多いビッグキーワードよりも低コストで新規客を拾えた
- ブランド認知向上のためのディスプレイ広告
- バナー広告にセール情報を強調し、サイトへの興味を喚起
- リマーケティングで再訪促進
- 商品ページを見たユーザーに対し、再度同じ商品や関連アイテムを訴求する
この施策により、EC売上が1.5倍に拡大し、CPAも適正水準に抑えられました。
11-2. BtoBサービスの例
BtoB企業が資料請求やお問い合わせ件数を増やすために、検索広告とリマーケティングを活用して成果を上げた事例があります。
- ターゲットキーワードの選定
- 「業種名 課題」「○○システム 導入」「業務効率化 ソフト」など、比較検討段階にいるユーザーが想定しそうな複合キーワードを網羅
- ランディングページでの信頼構築
- 導入事例、利用企業の実績、料金プランなどをわかりやすく提示
- 問い合わせフォームの簡素化
- 名前・会社名・メールアドレス程度の項目で問い合わせを受け付け、詳細な情報は追ってヒアリングする形に変更
- リマーケティングでフォロー
- サイトを訪問したが資料請求まで至らなかったユーザーに対し、バナー広告で再度アプローチ
結果、問い合わせ件数が安定的に増加し、インサイドセールスへの引き継ぎ率が向上しました。
12. Google広告を使いこなすコツ
- 小さく始めて、徐々に拡大
- 最初は限られたキーワードや広告形態に絞り、効果を確認したうえで徐々にキャンペーンを追加する
- テストを怠らない
- 広告文やLP、入札戦略など、常にA/Bテストやセグメント分析を行い、成果を高める
- 他部門との連携
- 営業やカスタマーサポートなど、実際の顧客接点を持つ担当者からフィードバックを得ることで、広告の改善に活かせる
- 最新情報のキャッチアップ
- Google広告はアップデートが頻繁に行われます。機能追加やポリシー変更、競合の動向などを定期的に確認し、新しい手法を柔軟に取り入れる
13. まとめ
ここまで、Google広告の使い方完全ガイド:初心者が知っておくべき基礎知識と成功のコツをテーマに、広告タイプの種類やアカウントの設定方法、運用上のポイント、成功事例などを幅広く解説してきました。最後に、主なポイントをおさらいします。
- Google広告とは?
- Google検索、ディスプレイネットワーク、YouTubeなど多彩な場所に広告を掲載可能
- クリック課金型で、詳細な効果測定が行いやすい
- 主要な広告タイプ
- 検索広告: ユーザーが検索するキーワードに連動するテキスト広告
- ディスプレイ広告: Google ディスプレイ ネットワーク上のバナーや画像広告
- 動画広告: YouTubeで再生されるインストリーム広告やディスカバリー広告など
- ショッピング広告: 商品画像や価格を直接検索結果に表示
- アカウント開設からキャンペーン作成までの流れ
- アカウント作成 → キャンペーン・広告グループの設定 → キーワード選定 → 広告文・LP作成 → 入札戦略と予算設定
- 運用と最適化のポイント
- 除外キーワード設定、A/Bテスト、コンバージョン計測、リマーケティングを有効活用
- クリック数やCTRだけでなく、CV数やCPAなど最終成果を重視する
- データ分析とPDCAを繰り返し、段階的に改善
- よくある失敗と対策
- 過度に広いキーワードで無駄な費用が発生 → ネガティブキーワード導入やロングテール重視
- 広告文とLPが合っていない → 広告訴求と着地ページの整合性を保ち、ユーザーにわかりやすい導線を用意
- 成功事例から学ぶ
- 小売業のECサイトやBtoBサービスで、検索広告+ディスプレイ広告+リマーケティングの組み合わせが有効
- LPの信頼性や問い合わせフォームの簡素化も大きく影響
- Google広告を使いこなすコツ
- 小規模から始めてデータを蓄積し、改善点を順次修正
- 関連する社内外の担当者と情報共有し、リアルな顧客ニーズを広告に反映
- 最新機能やアップデート情報を追い続け、最適な運用方法を模索
13-1. 次にやるべき具体的ステップ
- ステップ1: Google広告アカウントの作成と支払い方法の設定
- ステップ2: キーワードプランナーなどを使ったキーワードリサーチ
- ステップ3: キャンペーン・広告グループの設計と入札戦略の選択
- ステップ4: 広告文作成とLPの最適化
- ステップ5: コンバージョン計測タグの実装
- ステップ6: 序盤はデータ収集に注力し、1〜2週間後に除外キーワードや広告文のA/Bテストを開始
- ステップ7: レポートを見ながらPDCAサイクルを継続的に回す
Google広告を運用するには、最初こそ戸惑う用語や設定項目が多いかもしれません。しかし、一度基本の流れをつかんでしまえば、自社のビジネスに合わせて広告予算やターゲティングをコントロールできる強力なツールとして機能してくれます。最初は失敗や試行錯誤もあるでしょうが、そのプロセスこそが自社ならではの最適解を見つけるカギです。
本記事を参考に、ぜひGoogle広告を活用してビジネスを成長させてください。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。今後の広告運用において、あなたの成功を心からお祈りしております。
Google広告を最大限活用するために
広告を最もコスパよく運用する方法は知識のある運用行者に頼み、結果を分析しPDCAを回すことです。
この記事だけでは十分な分析まではできないでしょう。
当社では半年間で広告運用の内製化をめざすカリキュラムを審査制で承っています。
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